「この企画、一緒にやりませんか」
小川プロデューサーから誘われたのは、私自身が癌の手術を受けた直後だった。
家族のこと、仲間のこと、仕事のこと、色んなことを考えて頭がクチャグチャになっていた時期だった。
企画と自分の身の上がシンクロして心をえぐられる思いだった。
マンガの神様 手塚治虫が、死を目前にしてなお挑もうとしたテーマ“浄化と昇天”。
果たして自分はどこまで迫れるのだろうか?
いつまで生きられるか知らない。でも生かしてもらえるならこの映画を作りたいと願った。
そして今、映画が完成してボクはまだ生きている。
2014.11.28
「トイレのピエタ」完成初号を終えて
プロデューサー 甘木モリオ